こんにちは。みとんです。
あなたは、AO塾として最近有名になりつつある「早稲田塾」をご存知でしょうか。
実は、私はつい最近まで早稲田塾に実際に通っていました。そこで、早稲田塾の授業内容、料金、メリットとデメリット、評判などについて詳しくお話します。
早稲田塾とは
そもそも早稲田塾とはどのような塾なのか、紹介していきます。
早稲田塾とは、現役高校生の大学受験現役合格を実現させる予備校。大学と連携した取組みも数多く展開するなど、現役合格を通して人財を育成する「塾」ならではの教育を実施している。
https://www.ini.co.jp/portfolio/waseda.html
ここには記載がありませんでしたが、一言でいうと AO、または推薦(指定校、公募問わない)入試に特化した塾です。
早稲田塾の授業内容は?塾生から見た良い点、悪い点とは
ここでは早稲田塾で実際に行われている授業について紹介します。
そもそも、早稲田塾の授業は大きく分けて2種類に分けることができます。
早稲田塾はAO入試対策(小論文の書き方やAO入試に特化した授業)については早稲田塾が生徒を全面的にサポートしてくれます。
一方で、学習面については、早稲田塾は東進ハイスクールと連携しているため、塾生は東進衛星予備校の生徒と全く同様の映像授業を受けることができます。(もちろん追加料金はとられますが。)
そのため、AO入試の対策をしながら学校の勉強を進めることも可能ですし、万が一AO入試に落ちてもすぐに一般入試対策に切り替えることができます。
では、ここから具体的に早稲田塾の独自のAO入試、一般入試対策の授業について紹介します。これは主に4つに分けることができます。 (授業内容は変更になる可能性があります)
- AO・推薦入試 特別授業【AO対策】
- グループミーティング【AO対策】
- 未来発見プログラム【AO対策】
- 小論文系講座 【AO、一般両方対策】
- 英語特訓道場【一般対策】
①AO・推薦入試特別授業 (2週に1回)【AO対策】
ここでは、塾生たちが宿題として書いてきた志望理由書を、講師陣がその場でアドバイスしながら添削するという授業を行います。
また、志望校別に塾生がグループを組み、講師だけでなく塾生同士がお互いの志望理由書を読んでアドバイスする時間も設けられます。
宿題については、ただ単に添削通りに志望理由書を書いてくるだけではなく、志望理由書に関連した書籍を読んだり、必要があれば志望理由書のテーマに関連する専門家に会ってインタビューしてくるという内容も含まれることがあります。
このように自主的な行動が必要な宿題に重きを置いているため、授業自体は2週間に1回となっています。
良い点:
・また、これを機に多くの塾生が自分の関心がある分野に精通する大人にインタビューしに行ったり、様々なボランティアに参加したりするため、社会経験の機会が得られるという点では非常に良かった。
・職業の枠組みにあまりとらわれずに、将来やりたこと (例えばどのような研究をしたいか、どんな会社を設立したいか、どんな志を持った○○(職業)になりたいか) がある程度、具体的に決まっている塾生にとっては、志望理由書の具体的な書き方を教えてくれるためかなり効果的。
悪い点:
・上に述べたような、具体的に将来やりたいことが決まっていない塾生や、流されやすい塾生は、先生に志望理由書の内容のほとんどすべてを決めてもらうことになってしまう場合がある。
その場合、志望理由書のみの一次試験には通過できるが、二次試験の面接や小論文、ディスカッションなど(大学によってその試験内容は異なる)の実力を持った塾生でないと合格はかなり難しい。
②グループミーティング(週1)【AO対策】
この授業では、早稲田塾が日本アクティブラーニング協会から購入している問題を使用します。
他のAO塾でもこの問題を使用しているところはほとんどないといいます。
授業テーマは「答えのない問題にチャレンジする」、「非認知能力(数値化が難しいその人の良さや個性)を鍛える」というものです。
具体例として、その問題を一問載せておきます。
日本には、建国記念日(2月11日)・憲法記念日(5月3日)・山の日(8月11日)・文化の日(11月3日)・天皇誕生日(12月23日)などの、国民の祝日が存在します。あなたが、もしも新たな祝日を創る権限を持った場合、何月何日を何の日に制定しますか。その理由を60字以内で書きなさい。
http://activelearning.or.jp/nas/
この授業では、塾生一人ひとりが解答を作成したのち、塾生たちの前で自分の解答を発表します。
また、それぞれの解答とは別に、グループでの話し合いを通じて共同で新たに解答を一つ作る作業も行います。
良い点:
・塾生一人ひとりの独自の思考力(=今後の大学入試に必要となる能力)や、発表力、コミュニケーション能力が鍛えられる機会を与えてもらえる。
・リーダーシップを発揮する練習の場を与えてもらえる
・主に4人グループずつの授業であるため、発言が苦手な塾生も必ず一度は話す機会がある
悪い点:
元々話すことやリーダーシップをとることがとても苦手な塾生は、ほかの塾生に圧倒されて自主的に話したりリーダーシップをとることができない場合もある。
③未来発見プログラム (年数回)【AO】
これは早稲田塾の課外活動です。塾生たちは、志望する進路に合わせて参加することを強く勧められます。
具体的には早稲田塾のホームページ(http://www.wasedajuku.com/lp/miraihakken2018/)を見ていただければ分かると思いますので割愛します。
良い点:
・将来やりたいことに合ったプログラムがあると学びはその分大きい。海外でのプログラム(フロリダのディズニーワールドで経営を学ぶプログラムなど)も用意されている。
・有名な専門家や教授の方から直接指導していただく機会がある。(早稲田大学第12代総長 西原春夫氏、 東洋大学教授/慶應義塾大学名誉教授 竹中平蔵氏など)
悪い点:
・料金が高すぎる。たとえば、早稲田塾の校舎で歴史について4日間(午後に授業スタートなので、実質2日間)学ぶプログラム(スーパーフューチャープログラム)という一番安いプログラムでも 「94,500円」もかかる。
・将来やりたいことが具体的に決まっている塾生でないと大きな学びは得られないように感じた。
(実際に私も、将来のビジョンが何もない状態で塾の先生に進められるがままに参加したスーパーフューチャープログラムでは、何となく4日間が過ぎていってしまい、参加したことをとても後悔しました。)
④小論文系講座(週1)【AO、一般】
小論文系講座は、主に
- 論文作法
- 慶応義塾大学対策小論文
- 大学への小論文
の3つに分かれます。
これらの授業で身につけることができる基礎的な文章力や読解力は、志望理由書を書く際も、慶応義塾大学の一般入試やその他の大学の一般入試(現代文)で必要になる能力であるため、これら3つの授業はAO、一般入試両方の対策になると言えます。
論文作法
- 様々な志望校の塾生が集まり、基礎的な文章力を鍛えたり、ディスカッションしながら互いの論文の添削を行う。
良い点:
・志望校にとらわれず基礎的な文章力が身につくため高1・2生に特におすすめ
・ディスカッションの時間があるため、志望校の二次試験にディスカッションがある場合、その対策にもなる。
悪い点:
・塾生たちの全体的な意欲はそこまで高くない
慶応義塾大学対策小論文
- AO入試、一般入試を問わず慶応義塾大学への進学を希望する塾生の多くが在籍する授業。
授業内容は慶応義塾大学の一般入試の過去問をひたすら解説する中で、ハウツーを少しずつ教えてもらったり自分で学びとったりするというものですが、この授業は塾内で最も宿題が厳しいとして有名です。実際、私も宿題がきつすぎて自分からドロップアウトしました(^^;
その宿題というのは、具体的には
- 朝日新聞に掲載してあるコラムの一つである天声人語を、最低1つはノートに書きとってくること
- 前回の授業で扱った課題の再執筆
- 今回の授業で扱った課題の再執筆
- 次回の授業で扱う課題の執筆(ただし、次の授業までにその課題の「自己添削」を行う=計2回課題を執筆してくることが求められる)
- 昔扱った重要な課題の再執筆(これは完璧な内容になるまで何度でも書き直しをさせられます。一学期の一番初めの授業の課題を、2学期の後半まで書き直し続けた経験があります(笑))
つまり、宿題として最低5本の小論文の執筆を求められるのです。
私も半年間受講したことがあるのですが、それだけで正直頭がおかしくなりそうでした…(笑)
良い点:
・慶応義塾大学を本気で志望する塾生にとっては最高の場で、全体的に意欲的な塾生が多い。
・一年間しがみつくように必死になって課題や授業を受け続ければ、必ず文章力とそれに伴う読解力が身につく。(私は半年くらいしか受講していなかったのであまり文章力は高くありません(^^;))
実際、この過酷な授業を2年間受け続けた私の友人は、文章力が異様なまでに向上し、先生から「4、50代の大人が書いたみたいなきちんとした文章だね君は」とお墨付きをもらったそうです(笑)
また、センター試験の現代文の過去問でも間違えているところを見たことがありません。
・執筆してきた小論文は、何本あっても必ず全て添削してもらえるため、意欲的な塾生にはとても向いている。
悪い点:
・課題が多すぎて、学校の授業中に執筆したり睡眠時間を削って執筆する塾生が多く見受けられた。私も時間がなさ過ぎて、塾までの電車の中で1000字執筆したという過去が…(^^;
・この授業にはメインの担当講師が一人いるが、その講師は塾生の小論文の添削を一切してくれない。(彼は主に授業で過去問の解説を行う)
その代わりに元塾生で、慶応義塾大学に進学した大学生が助手として添削などを行うのだが、その助手たちの中で能力差が大きいことがある。
この授業を選択した塾生は、初回の授業で担当の助手が決定するが、ベテラン助手に当たらないと1年間受験当日まで大きな不安を抱える場合がある。
(私がドロップアウトした理由に、この不安に耐えられなかったから、という面もある。 )
・授業で扱っていないため、答えの検討もつかないような難しい問題を必死の思いで自己添削していったが、答えの方向性が違うまま再執筆してしまうため、提出した課題をほとんど見てもらえずに悪い評価をつけて返されてしまうことがよくある…。
大学への小論文
- 主にMARCHレベルの小論文の過去問を扱う。
この授業は慶応義塾大学対策小論文の授業とは異なり、授業中に課題の執筆時間を与えてもらえます。そのため、宿題は一切なく部活やその他の活動などと両立しやすかったです。
授業の前半では、「今日は何の日?」という呼びかけから授業が始まり、小論文を書く際に知っておいたほうが良いとされる日本や世界の歴史について学びます。中盤で前回の課題の振り返りをし、後半で実際に執筆をします。
良い点:
・宿題が少なく部活などと両立しやすい。
・慶応義塾大学対策小論文と同様に、課題を再執筆したら添削してもらえる。
・扱う過去問は一つの大学にとらわれず多岐にわたるため、志望校に関係なく文章力を向上できる。
悪い点:
・授業前半の歴史の解説は、たしかに一般常識としては知っておくべきだと感じたが、それが実際の小論文の試験や面接で役に立ったかは定かではない。
・たしかに、課題を再執筆したら添削してもらえるのだが、授業の雰囲気がゆるく、入試直前になるまで課題を再執筆する生徒はほとんどいなかった。慶応義塾大学対策小論文と比べると全体の意欲はそこまで高くない。
⑤英語特訓道場(週1)【一般】
これは、一般的な英語の授業とは異なります。
1コマの授業の中で、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能全てを習得できるような仕組みになっています。また、授業中に決められた短い時間で英単語を暗記するという時間が設けられているため、英単語の暗記に時間がかかる人でも徐々にスピードを早めることができます。
良い点:
・4技能をバランスよく学べるこの授業はAO・一般入試の両方に活用できる。
AO入試では英検やTOEIC,TEAPなど4技能の英語試験の点数が、合否に影響することがある。また、それらの一定の点数を持っていないと出願すらさせてもらえないという大学も多々ある。さらに、最近の一般入試では英語の4技能試験の点数で英語の試験の受験のみ免除するという大学も存在する。
悪い点:
・やろうと思えば自宅でもできる内容。
・授業を行うのがその校舎でバイトをしている大学生であるため、校舎によってリスニングの発音などの能力差がある。
・授業時間が短いため、時間がかかってしまうライティングの内容に取り組まないことが多い。
そのため、英語資格でライティングの試験が必要な場合はライティングのみの特別授業(別の講座)を追加で受ける必要がある。
早稲田塾の料金は?
ここでみなさん気になっているであろう、早稲田塾の料金についてです。
そもそも早稲田塾はインターネット上ではその授業料をほとんど掲載していません。また、ほかのサイトでもここまで詳しく料金載せているものはないので要チェックです!!
早稲田塾では、主にこの4つの費用がかかります。
(2019年3月現在、早稲田塾HP参照) (料金は変更になる可能性があります。)
- 入塾金
- 年間平常授業料
- 授業料以外の諸費用
- 季節授業料
一つずつ説明していきます。
①入塾金は¥32,400(税込)です。
② 年間平常授業料は、受講できる単位数や契約特典などが異なる3コースのどれかを選択することで決定します。

※受講可能単位数を超えて追加受講をする場合は、追加料金が発生します。
このコースごとの料金は学年によって大きく異なります。ここでは高校2年生、3年生のそれぞれの料金(税込)を紹介します。(料金は変更になる可能性がありますので目安としてご活用ください。)
高校2年生:プレミアム→\478,440 スタンダード→\276,480 ベーシック→\207,360
高校3年生:プレミアム→\1,196,640 スタンダード→\798,120 ベーシック→\398,520
③ 授業料以外の諸費用
諸費用には、総合指導・模試費 ¥52,920(税込)・諸経費 ¥12,960(税込)の計¥65,880(税込み)が含まれます。
④ 季節授業料
季節授業(春期、夏期、秋の本番直前、冬期)受講に関する費用は、平常授業年間学費とは別の納入となります。
早稲田塾の授業料のなかで最も重要なのが、この季節授業料です。
私は入塾時、この季節授業料の存在はほとんど説明されることがありませんでした。
(もちろん契約書のどこかに小さな文字で書かれていた可能性が高いですが。)
そのため、私と、実際に料金を支払った私の父は、入塾の時点で年間平常授業料(コースにより異なる)を払うことで1年間はそれ以外の料金が発生するとは全く思わずに入塾を決めてしまいました。
また、どの塾でもよくあることですが、季節授業料は春夏秋冬の4回だけでなく、GWやAO入試や一般入試の直前などにも非常に頻繁に請求される(正しくは授業をとることを執拗に勧めてくる)ことがあるので特に注意が必要です。
早稲田塾の評判は?入塾のメリットとデメリット
ここまでの授業内容や料金などを踏まえた上で、実際の塾生たちからの評判を入塾のメリットとデメリットという形で紹介します。
入塾のメリット
・AO入試を利用して志望校に合格することを強く望んでいる人にとっては良い環境が整っているといえる。
・自分の今までの過去を振り返る機会が非常に多いため、改めて自分の良いところに気づくことができる。
これは私が早稲田塾に入塾して良かったと思える一番の理由です。
たとえ将来やりたいことが決まっていない人でも、(AO入試で合格するかどうかはさておき)自分の個性や良さを発見することは強い自信に繋がります。おそらく早稲田塾でしかこのような価値は提供していません。
・無料で東進が行っている模試を受験することができる。
・ほかの塾に比べて塾生一人ひとりの意識が高く、志を持った人が多い。また、自主性あふれる塾生が多いため 人によっては入試のモチベーションアップにつながる。
・また、塾生同士の仲が良いため、人によってはこのことも入試のモチベーションアップにつながる。
入塾のデメリット
・(これは他の塾にも言えることだが)AO入試で絶対合格ということはあり得ないため、早稲田塾の三分の一程度(推定)の塾生は最終的に一般入試に切り替える。
・夏のほとんどの時間をAO入試対策に費やすため、
・料金が非常に高額。また、他の塾に比べて頻繁に追加の料金を取ろうとするという面で、ビジネスの香りが強いという意見もある。
・塾生たちの自主性を重んじるあまり、また、塾生に対して講師の人数の割合が低いため、AO対策の授業の中で講師があまりアドバイスをしてくれないことが多く見受けられる。
・校舎によって自習室の席数に大きく差があり、テスト期間前になると満席になることもある。(これはそれぞれの校舎に直接確認してください)
・一般試験対策の授業がほとんど東進の映像授業であるため、強い意志を持たないと授業に集中して取り組めない。また、映像授業を好まない方には早稲田塾の一般対策は不向き。
早稲田塾にはAO入試の対策をしつつ一般入試の対策をしていて睡眠時間を削る塾生が多いため、彼らがうとうとしてしまっている様子はしょっちゅう見かけます。
まとめ
これは多くの塾に共通して言えることですが、結局のところ合格はその人次第です。 AOであれ一般であれ、 その人自身の努力や力量によって結果が決まるということは確かです。そのため、早稲田塾に入塾したら必ずAO入試で合格するというわけではありません。
しかし、早稲田塾はAO入試対策を通じて一人の人間としてに成長できる環境だったと私は感じました。
自分史を振り返ったり、大人にインタビューしに行ったり、多くの本を読んだり、答えのない問題に取り組んだり。このような機会を与えてくれる塾は他にはほとんどありません。
受験生のゴールは大学合格ではありません。そのため、AO入試という大学受験を通じて人間として成長しつつ、大学合格を目指してみるのもいいかもしれません。
そのためのツールとして、授業内容や料金なども踏まえつつ早稲田塾に入塾するか”じっくりと”ご検討ください。
この記事が早稲田塾に入塾するかどうかの判断の、一つの手助けになれば幸いです!